都史資料集成 第9巻 大東京市三十五区の成立

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 今日の特別区につながる区の歴史は、明治11年(1878)の郡区町村編制法による15区の設置に始まります。この東京府の区は、明治22年(1889)、市制町村制施行に伴い、基礎的自治団体たる東京市の下部組織と位置づけられました。しかし、東京市の区は、他の都市の区と異なり、その後一貫して法人格をもった団体として存続します。

 このように、他に類をみない独自性をもった東京の区について、その設置から大東京市35区の成立に至るまでの制度的な変遷・権限の変化を踏まえながら、区政運営の実態に焦点をあて、資料を収録・構成したのが本書です。

 本書では、区の実態を示す基礎的な資料として、決算書や区会議事速記録、事務報告書などを収録したほか、昭和7年(1932)の大東京市成立時に編入された新市域の行財政の実態を、渋谷区を素材として明らかにしました。また、区を単位として系統化された、地域の諸団体・住民組織に関する資料についても収録しています。

 第9巻の構成

  • 第一 郡区町村編制法時代の区
  • 第二 区の事務
  • 第三 渋谷町から渋谷区へ――決算書にみる
  • 第四 地域問題と区会
  • 第五 騒擾・災害
  • 第六 青年団・在郷軍人会
  • 第七 公民会・町内会・町総代
東京府文書「従明治十二年一月至五月 区会回議 布達、伺、届、往復、認可(改正委員)」表紙
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記事ID:003-001-20240718-002157