第3回 明治の「言上帳」を読もう

更新日

 「言上帳」は、江戸町奉行所の重要公文書のひとつであり、毎月1冊ずつ作成されました。奉行所には日々多くの訴えが持ち込まれましたが、そのうち重要なものを「言上帳」に記載していました。

 一日の終りに本番与力が連署して毎日奉行に提出し、奉行は必ずこの帳面に目を通して、江戸の町で何が起こっているかを把握したのです。

 こうした江戸町奉行所の公文書形式は、明治になって東京府が開設された後もしばらくの間は引き継がれました。このため、東京都公文書館には、明治2年(1869)5月から明治4年(1871)2月に至る、東京府が作成した15冊の「言上帳」が残されています。

 「言上帳」に記載される内容は、盗難や火事、落し物、拾い物、行き倒れ人、捨子、家出、駆落ちなど、多岐にわたっています。明治初年の江戸・東京の町では、一体どんなことがおこっていたのか、「言上帳」に記された訴えを読み解いてみましょう。


【参考文献】

  • 佐久間長敬『江戸町奉行事蹟問答』(南和男校注 昭和42年 人物往来社)
  • 小木新造「『言上帳』にあらわれた東亰の世相」(西山松之助先生古稀記念会編『江戸の民衆と社会』 昭和60年 吉川弘文館)

 この他、当館所蔵の高野家文書の中に、元禄~正徳期の「言上帳」を控えとして写し取った「日記言上之控」が所蔵されています。当館編集の復刻版が出ていますので、ご興味のある方はお求めください。
刊行物の案内へ

【史料1】

解読/読み下し/解釈 (画像をクリックしてもジャンプします)

タイトル

説明を記載してください。

H2タイトルが入ります

記事ID:003-001-20240718-002221