第16回 『順立帳』から見る「天酒頂戴」

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 明治元年(1868)9月20日、明治天皇は従者3,300人余りを従えて東京へ向け出発します。将来の東京奠都(とうきょうてんと)を見据えた行幸でした。10月13日、江戸城に到着した天皇は江戸城を「東京城」と改称しました。11月4日には東京城滞在中の天皇から市中の人々に御酒が下されます。「天酒頂戴」、「天盃頂戴」、「御酒頂戴」などと称されるこのイベントは、為政者が将軍から天皇に代わったことを演出する象徴的な出来事でした。

 当館が所蔵する『順立帳(じゅんだてちょう)』には、この時、江戸の酒問屋がどのような銘柄の酒をどれくらい調達したかが記されています。『順立帳』は、東京府文書のなかで最も早期に作成された文書のひとつです。「順立」と名のつく文書は江戸幕府の町奉行所でも作成されていて、町奉行所の業務が市政裁判所、ついで東京府に引き継がれるにあたって、旧町奉行所の与力同心の多くが東京府市政局庶務方の官吏として勤務したことで『順立帳』の名前も引き継がれたと考えられます。

 当館所蔵の『順立帳』は、明治元年9月から同4年12月の間に作成された文書をおおよそ作成順に綴じた簿冊156冊で構成され、当時の東京府の行政のあり方を探るうえで基本的な史料といえます。

 それでは、さっそく資料を読んでいきましょう。

 『明治元年・順立帳・7』(請求番号:632.E1.08)


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目次

  1. 資料
    『明治元年・順立帳・7』
    請求番号:東京府文書 632.E1.08
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  2. 資料の解読

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【資料】

 『明治元年・順立帳・7』
請求番号:東京府文書 632.E1.08

記事ID:003-001-20241209-010348