史料の解読/読み下し/解釈―明治の迷子犬
(出典:『御布告留<(第三大区)一・二小区>』請求番号:607.B5.11)
【史料】
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解読文
広告 前月十四日頃ヨリ当公使館ニ在ル小ナル雄 犬壱疋何レヘ迷ヒタルカ或ハ奪レタルカ未タ知 レズ其色茶ニシテ毛短ク足ハ丈夫ニテ曲レリ 面貌、耳、共長ク(其毛色違トイヘトモ全体ハ狸ニ似タリ) 此犬ノ種類未タ日本ニ無之右之趣ハ日本帝国 警視庁ヘモ相届ケ探索最中ニ有之此犬何方ニ 有ルトモ売買ヲ禁シ候就テハ御見当リ御持参之 方ヘハ格別之御礼可仕候間御報知可被下候以上 永田町壱丁目 明治八年十月 独逸帝国公使館
読み下し文
広告 前月十四日頃より当公使館に在る小なる雄 犬壱疋、いずれへ迷いたるか、あるいは奪われたるかいまだ知 れず、其の色茶にして毛短く、足は丈夫にて曲れり 面貌、耳、共長く(其毛色違といえども全体は狸に似たり) 此犬の種類いまだ日本にこれ無く、右の趣は日本帝国 警視庁へも相届け探索最中にこれあり此の犬いずかたに 有るとも売買を禁じ候、ついては御見当り御持参の 方へは格別の御礼仕るべく候間、御報知下さるべく候、以上 永田町壱丁目 明治八年十月 独逸帝国公使館
記事ID:003-001-20240718-007652