都レンジャーニュース|東京都小笠原支庁

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小笠原の自然

都レンジャーニュース 令和3年度

2022年2月15日(父島レンジャー 井上)
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都レンジャーの写真事情


スマホやSNSなどの普及でより一層身近になっている写真。都レンジャーにとっても、写真撮影は大切な仕事の一つです。倒木などの危険情報や施設の不具合に加え、植物の開花や結実状況、生物の目撃情報などを記録しています。日頃の記録をもとに、歩道の修繕計画に活かしてもらったり、小笠原の魅力を伝える普及啓発の材料にしています。
上の写真はタコノキの中に珍しい昆虫でも見つけたのか、夢中になって撮影してますね…。下の写真は、ヒメツバキに集まっているハナバチやカミキリムシを撮っていた記憶があります…。
僕らが活動するほとんどの場所は、自然公園法の規制対象地なので、生き物を捕まえて撮ることはできません。「被写体に触れずに自然な姿を撮る」ことが大切で、被写体によってはフラッシュなどにも気を配るので、条件が整わないとなかなかいい写真が撮れないですが、納得の1枚が撮れた時はかなりうれしいです。
特に生物の写真は、肉眼で見るよりも細かい点まで映し出せるので、僕らにとってもいい勉強になります。 
小笠原支庁のTwitterやInstagramにも投稿しているので、ぜひご覧ください。

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2022年2月7日(父島レンジャー 田谷)
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種に注目!


林木育種センターという研究機関のジーンバンク事業に協力して種子の採取を行っています。都レンジャーは日々自然の中で活動しているため、島内のどこにどんな植物が分布していて、花や結実の時期がいつ頃なのかを把握してきています。しかし、各植物のベストな時期に種子を採取することはとても難しいのです。
島内の至る所に生育し、初夏に白くて大きな花で山を彩る島の花「ムニンヒメツバキ」。あんなにたくさん花が咲くのだから実を取るのは簡単だろうと思っていましたが、花の印象ほどは実が見つかりません。手が届く位置に結実している株はわずか。さらに、完熟すると裂開してなかの種が落ちてしまうので、実の上部が少しだけ割れ始めたタイミングで採取しなければ、数日後には種はすべて落ちてしまいます。時間との勝負です!
「タコヅル」という植物は林内にたくさんあるのですが、いざ花や実を探してみると全然見つかりません。何とか花を見つけることができたので、その位置を覚えておいて実の時期に確認。結実はしているけど、まだ未熟。2週間後に見てもまだ未熟。さらに2週間後、ついに完熟!!思ったら、実の半分以上が食べられてしまっていました。こちらは動物たちとの勝負です!林木育種センターという研究機関のジーンバンク事業に協力して種子の採取を行っています。都レンジャーは日々自然の中で活動しているため、島内のどこにどんな植物が分布していて、花や結実の時期を把握してきています。しかし、各植物のベストな時期に種子を採取することはとても難しいのです。
結実してから完熟するまでの期間が短い樹種もあれば、半年以上も青い実をつけたまま完熟するまで時間がかかる樹種もあるのです。一年中たくさんの樹種について花や実のなり具合を気にする必要があります。
年間を通して温暖で気温の変化が小さい小笠原では植物も季節変化もはっきりせず、花の時期も実の時期もダラダラと続きます。なんとなく花も実も見てはいるけれど、花が咲いてから実が完熟するまでの期間についてはあまり把握できていなかったことに気づきました。
また、父島から約500m北に位置する兄島では、同じ植物でも父島とは結実量が大きく異なることにも気づきました。「シャリンバイ」や「ムニンネズミモチ」は兄島では腰丈ほどの小さい株にもたわわに実っているのですが、父島ではぽつぽつとわずかに実をつけている株がほとんどで、1株にたくさん結実しているのはほんの数株でした。その原因についてあれこれ考えています。
1年を通して種に注目してみることでさらに疑問が湧くことも多くあり、小笠原の植物の生態について改めて調べ、とても勉強になりました。ますます自然の面白さを実感しています。

2022年2月6日(父島レンジャー 藤澤)
ちびっこクラブと冬の山登りwidth=ちびっこクラブと冬の山登りちびっこクラブと冬の山登りwidth=

ちびっこクラブと冬の山登り


父島には年少、年中の子供たちが活動するちびっこクラブがあります。都レンジャーはちびっこクラブの子供たちに生きものや自然に興味を持って、より好きになってもらうために毎年夏には海遊び、冬には山登りのレクチャーをしています。今回は三日月山園地で、五感を使って山登りを楽しむ!という目標で行いました。
ウェザーステーションに集合した時点で、クジラが3,4頭近場でみられて子供だけでなくレンジャーやスタッフも興奮で良いスタートでした。さっそく山を歩いていくと固有種の名前やおいしい果実、甘い花など自分も知らないようなことを知っている子供たちにびっくりしましたが、4,5歳といえど島歴は私よりも長く、自然の楽しみ方は既にプロです。その中で私たちがレクチャーで伝えているのは、山を登っている他の人への配慮や安全に山登りをするルール、自分がいつも見ないような角度でものを見て、新たに発見してもらうといったことです。今回は一人一枚紙を配布して、フィールドビンゴの要領で、紙に書いてある16個のものを自分なりの解釈で見つけて埋めてもらうことを行いました。
人はそれぞれ違う感性を持っています。ある子が「これはいい匂いだよ」と教えると、別の子は「これは臭い!」などといった場面が多くありました。お互いに教えあう中で、それぞれ感じることが違うんだと分かってくれることは、良い学びになったと思います。最終的に全員がすべてのものを見つけ出し、「楽しかった!」と言ってくれました。子供たちには自然や生き物を好きになってもらい、将来自然を大切にできる人に育ってもらえれば嬉しいです。この日は私たちレンジャーも、普段とは違う角度で園地を見ることができてたくさんの発見がありました。私たちの管理する山の園地は小さな子供の利用は少ないですが、これを機にいろんな年代の人々に山登りを楽しんでもらえたらと思います。

2022年1月17日(母島レンジャー 宮川)
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レンジャーの普段のお仕事


都レンジャーニュースではこれまで普及啓発のための学校でのレクチャーや歩道整備などについて紹介してきましたが、普段のお仕事の大半は「巡視」です。父島、母島にある、東京都の管理する多くの歩道を歩いて回っています。そして、「壊れている場所はないか?」「通行に支障や危険はないか?」「盗掘や密猟などの違法行為はされていないか?」「困っている利用者はいないか?」などを見て回っています。自然の森の中の歩道なので、倒木で道がふさがっていたり、歩道の上に枯れた枝が引っかかっていたりするので特に安全管理には気を配ります。台風の後などはすぐにすべての歩道を回りますが、倒木などが多いとすごく大変です。チェーンソー、高枝鋸、のこぎり、ロープなど様々な道具を使って片付けていきます。
写真は先日の危険木の処理の様子。根元が腐って歩道に倒れそうになっていた大きな「ウラジロエノキ」を伐倒しました。チェーンソー作業の際はケガ防止のためのチェーンソーパンツとヘルメットが必須!冬場はいいですが、夏は暑くて大変…ですが、安全第一で活動しています!
登山中に都レンジャーにあったら気軽に声をかけてくださいね。では、今日も巡視に行ってきます!

2021年12月30日(母島レンジャー 足立)
小笠原小学校6年生乳房山レクチャー&移動教室width=小笠原小学校6年生乳房山レクチャー&移動教室小笠原小学校6年生乳房山レクチャー&移動教室width=小笠原小学校6年生乳房山レクチャー&移動教室width=

小笠原小学校6年生乳房山レクチャー&移動教室


毎年、母島都レンジャーは普及啓発として地域の小中学校への環境教育を実施しています。この場を借りて、今年行われた普及啓発活動の一例をご紹介します。
この日(2021年10月8日)は隣の島、父島にある小笠原小学校6年生への出張レクチャーを行いました。レクチャー内容は、母島にある乳房山への移動教室に向けて、その事前知識を身につけておこう!といったものです。児童たちは、父島と母島での地形の違いや母島でしか出会うことのできない固有動植物の話について興味津々といった様子でした。一通りスライドレクチャーを終えた後、新・都レンジャーゲームというレンジャー自作の変則すごろく風ゲームを用いたアクティビティを行いました。自然の保護と利用という、大人でも頭を悩ますテーマについてゲームを通して楽しく学んでもらったように思います。
そして翌週、実践の日です。父島からはるばる母島まで来てくれた皆さんを、私たち母島都レンジャーと環境省が同行し乳房山を案内しました。児童たちは登り始める前、「登り切れるかな…」と不安そうなことを言っていましたが、20、30分も歩ければ活き活きと登山道を駆け上がっていました。道中、アカガシラカラスバトの唸るような鳴き声に耳を澄ましたり、ハハジマメグロの姿を目に焼き付けようとじっくり観察したりと、五感をフル活用して乳房山の自然を体験しました。そしていよいよクライマックス。山頂に到着しいざ展望台へ向かいます。恐る恐る下を覗いてみると…バァーンと広がる青い海が!曇りがちな乳房山では珍しい快晴のオーシャンビューでした!興奮冷めやらぬまま下山の時間になり、無事移動教室は終了しました。
今回同行して嬉しかったことは、事前レクチャーで教えたことを覚えていてくれたことです。小笠原固有の動植物の名前やその見分け方、そしてそれらの多くが、現在危機的な状況にあることをちゃんと理解して校外学習に臨んでいるのだなと実感しました。児童たちが今回得られた体験を通して、より自然を知り、より大事にしていこうという意識を持ってくれただけでも成果があったように思います。

2021年11月22日(父島レンジャー 右田)
小笠原の厳しい環境で生きる植物たちwidth=小笠原の厳しい環境で生きる植物たち

小笠原の厳しい環境で生きる植物たち


小石川植物園に見学に行った時のことです。公開温室には小笠原の植物たちが展示されており、野生では見ることの難しくなった希少な植物たちを見ることができます。
ムコジママンネングサとムニンタイトゴメのように普段は隣になることのない植物を比べて見ることもできる夢のような場所です。
その様々な種の中でも個人的に衝撃を受けた植物があります。シマカコソウです。温室を入るとすぐに、やわらかそうな土の地面にシマカコソウが枠をはみ出す勢いでモリモリ生育していました。
私はその元気に溢れたシマカコソウを見て、今年の夏に環境省の職員の方と一緒に野生株を探しに行ったことを思い出しました。
そこはほぼ岸壁で、足場がちょっとした動きで崩れるような、登るだけでヒヤッとするような所です。それだけでなく、時期によっては海の潮や強風にも晒され、生きものにとっては過酷といえる環境です。野生のシマカコソウはそんな岩状の地面にひっそりと生きています。
その時は2班に分かれて探しにいったのですが、私が行った所は崩落や他の植物の被圧が進んでいたため、シマカコソウはすでになくなっていました。(写真2枚目は別班が見つけたときのものです。そちらはまだ生き残っていました!)
少しずつ姿を消していくシマカコソウの儚さを感じ、「次はいつ会えるだろうか?」と調査の時は思っていました。
……それから4か月後、思わぬ形で出会ったシマカコソウでした。植物園などで小笠原の植物を見るとき、ぜひ、生き方やその背景に興味を持つことで、そこにある植物が、より特別なものに感じられるでしょう。

2021年6月10日(母島レンジャー 竹中)
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普及啓発活動


小笠原の東京都レンジャーは、日々東京都が管理する歩道の巡回業務を行っています。
歩道管理上でもっとも重要なポイントは、歩行者が安全、安心に利用できることです。
歩きやすい道は、雨の日も安心して歩行できるはずです。
雨の日に歩道を歩いて、雨でできた水道(みずみち)はどこを流れているのか?現状の問題箇所はどうやったら解決できるのか?
現場をしっかり見て、常に改善を試みています。今回5月下旬に、父島と母島の都レンジャー8名が一堂に会し、母島南崎線の歩道整備を行いました。
約2日半、全部で7か所の歩道整備を行うことができました。雨の後、ドロドロぐちゃぐちゃだった道に高台を作ったり、上り下りしにくい段差を解消するため石階段を設置しました。
これからも歩きやすい歩道を目指してがんばりますから、今後もご期待くださいね。

2021年4月30日(父島レンジャー 藤澤)
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新レンジャー紹介(小笠原地区父島)


はじめまして!4月から小笠原地域父島の自然保護指導員になりました藤澤実樹です。
自然がほぼないような所で生まれ育ちましたが、小さいころから自然が大好きでした。小中学でのボーイスカウト活動で自然の楽しさと厳しさを学びました。そして、自然について学問として学びたいと思い、大学では農業や環境について学びました。
卒業後は農業について海外で研修を受ける予定でしたが、コロナウイルスの関係で行けなくなってしまいました。そんな中でこの自然保護指導員という仕事と出会い、現在はその一員として内地から遠く離れた小笠原村父島で暮らしております。
小笠原に来るのは初めてで、島々の力強さやその自然の雄大さ、島ならではの生態系などに日々心を動かされています。昔から学んでいた環境や動植物の保護・保全がこの小笠原でできることを誇りに思います。この美しい島のために精一杯努力いたします。
よろしくお願いします!


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