東京都の取組 - 外来種対策 - 侵入防止対策
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ニューギニアヤリガタリクウズムシ対策
小笠原諸島には106種の在来のカタツムリの仲間(陸産貝類)が生息し、そのうち100種が固有種と認められています。固有種の割合が高く(約94%)生物の進化の過程を示す非常に貴重な存在であることが高く評価されています。
その貴重な陸産貝類が危機的な状況にあります。主な原因は外来種のニューギニアヤリガタリクウズムシ(肉食性プラナリアの一種)による捕食です。本種は繁殖能力が強く体の破片からも再生可能であるため、一度侵入すると根絶することは困難です。小笠原諸島の父島では侵入が確認され、陸産貝類に大きな被害を及ぼしています。
拡散を防止するために
ニューギニアヤリガタリクウズムシが拡散してしまう事例として、靴底に付いた泥の中に含まれて持ち出されることがあります。ニューギニアヤリガタリクウズムシは塩分に弱いため、拡散を防止するためには靴の泥を落とした後に靴底を海水で洗浄すると効果的です。
ニューギニアヤリガタリクウズムシの拡散を防止することは、小笠原固有の陸産貝類を守るためにとても重要なことです。東京都では、父島と母島を繋ぐ定期船(ははじま丸)の乗船時・下船時に靴底洗浄マットを設置し、持ち出しや持ち込みを防ぐ取組を行っています。
また、靴底や衣類などには外来植物の種子、グリーンアノールの卵などプラナリア以外の外来種が付着している可能性もあります。他の島へ移動する際には、侵入防止対策を行うことがとても重要です。
記事ID:003-001-20240718-008311