都レンジャー業務紹介
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都レンジャー制度の歩み
東京には都市部も広がっていますが、その一方で、自然が豊かな場所も数多く残っています。それらは自然公園に指定され、生態系保護やレクリエーションの場として機能しています。しかし、そこでは植物の盗掘等の不法行為、過剰利用やマナー違反により、自然保護と利用のバランスが崩れかけています。そこで東京都は、それらの課題に対応するため、自然保護と適正利用の担い手として、都レンジャーを配置しました。(右写真:Rangerマーク)
年月 | 主なできごと |
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平成15年9月(2003年) | 石原都知事が東京都レンジャー制度の創設を表明 |
平成16年6月(2004年) | 小笠原地域(父島)3名配置 多摩地域(高尾)3名配置 |
平成16年8月(2004年) | 多摩地域(奥多摩)1名配置 |
平成17年4月(2005年) | 多摩地域(奥多摩)2名追加配置(計3名配置) |
平成18年4月(2006年) | 多摩地域(御岳)3名配置 |
平成19年4月(2007年) | 小笠原地域(母島)3名配置 多摩地域(檜原)3名配置 |
平成24年4月(2012年) | 小笠原地域(父島)1名追加配置(計4名配置) |
平成29年4月(2017年) | 小笠原地域(父島)1名追加配置(計5名配置) 小笠原地域(母島)1名追加配置(計4名配置) |
令和4年4月現在、東京都レンジャーは多摩地域の高尾に5名、奥多摩・御嶽の2箇所に各4名、檜原に3名、小笠原地域の父島に5名、母島に4名の計6箇所に25名配置されています。
その中でも、小笠原地域の都レンジャーは本州から1000km離れた海洋島であるという特殊な自然環境の中で以下の業務を行っています。
利用マナーの普及啓発及び指導
小笠原固有の動植物や特異な景観などを後世へ残していくために利用者に対して自然公園の利用マナーやルールについて、巡視中における声かけ、インターネットを利用した旬な自然の紹介、小中学校へのレクチャー対応など様々な形で普及啓発を行っています。
- 例)普及啓発の実施:世界自然遺産登録10周年記念講座~いつか行く日のための小笠原講座~入門編
- 例)環境教育プログラムの実施:小学生の移動教室への同行(母島)、小学生への出前授業(母島)
不法行為の監視及び是正指導
小笠原には絶滅が危惧されている動植物が多数生息・生育しており、これらの動植物の密猟や盗掘が行われることのないよう日々巡回を行っています。
また、特別保護地区においては、動物の捕獲や植物の伐採はもちろん、石や貝殻などの持ち出しも禁止されており、このような行為が行われていた場合には、是正指導及び関係機関への通報を行います。
<小笠原に生息・生育する希少な生物の例>
自然公園施設の点検及び危険箇所の応急補修
遊歩道や自然公園施設を安全に利用できるよう、点検及び破損箇所や危険箇所の応急補修を行っています。
<例>
- 通行の支障となる倒木の除去
- 指導標や案内板の補修及び修正
- 危険・破損箇所への注意喚起看板や立入制限テープの設置
- 施設管理者への危険個所・破損状況の報告
- 近自然工法を使った歩道整備
:園地の枯損木伐採や外来植物の除去
:母島南崎線歩道の補修
定期船の入出港立ち会いによる外来種対策の実施
小笠原の特異な生態系を維持するため、以下のような目的で定期船の入出港に立ち会っています。
<例>
- 本来、小笠原に生息・生育していない動植物の持ち込み警戒
- 小笠原からの動植物の違法な持ち出し防止
※動植物の持ち込みや持ち出しを認めた場合は、外来種を野外へ逸脱させないようお願いしたり、持ち出そうとした動植物の入手経路をお尋ねしたりすることもあります。
※※ははじま丸の入出港時には、海水を浸したマットの設置を行い、外来種が侵入しないように、乗下船時に靴底の泥落としをお願いしています。
例)定期船の入出港時における立ち合いの様子 (左)おがさわら丸入港 (右)ははじま丸入港
東京都版エコツーリズムの遵守状況の調査及び是正指導
自然環境保全促進地域(南島・石門)において適正な観光利用がなされるよう、観光業者などへの利用ルールの徹底をお願いしています。南島においては、適正な利用が行われるように、利用ルートの改修も都レンジャーが行っております。
- 例)利用ルールを見ているところ (左)南島 (右)石門
- 例)ルート改修 南島