小笠原の自然

東京都の取組 - 外来種対策 -グリーンアノール防除

グリーンアノール防除の経緯

 平成25年3月、兄島の南部において侵略的外来生物であるグリーンアノールが発見されました。既にグリーンアノールが侵入していた父島では、ハチなどの送粉昆虫を中心に生態系に大きな影響が出ていたことから、小笠原諸島世界自然遺産科学委員会は「兄島に侵入したグリーンアノールに関する非常事態宣言と緊急提言」を行いました。本提言を受け、世界自然遺産の管理機関(環境省、林野庁、東京都、小笠原村)は、グリーンアノール防除対策ロードマップと防除実施計画を作成し、健全な乾性低木林の生態系が残る兄島の保全に向けた取組を進めています。

63_p01.JPGグリーンアノール防除対策ロードマップ及び防除実施計画の位置づけ(※)

  • 63_p02.jpgグリーンアノール
  • 63_p03.JPG主に昆虫を捕食
  • 63_p04.jpg乾性低木林

グリーンアノール防除柵の設置

 グリーンアノールが侵入した地点とされる南部から、AラインとBラインの2つの防除柵の設置が行われました。東京都では、平成28年度から平成29年度にかけ、兄島で3番目の防除柵となるCラインの設置を行いました。Cラインは全長約2.4㎞、高さ0.6~1.8mで、上部は90°の忍び返し構造になっています。部材はステンレス製の鉄筋支柱とトリカルネットを使用しています。柵の設置にあたっては、在来林の損傷が最小限となるようルートの選定を行うとともに、工事に伴う環境への負荷や、新たな外来生物の持ち込みが無いよう配慮して作業が進められました。

  • 63_p05.JPG兄島における防除柵の設置位置と
    エリア分け(※)
  • 63_p06.jpgCライン設置状況
  • 63_p07.jpg外来生物の侵入防止のため資料を燻蒸

その他防除への取組について

 環境省が中心となり、主にアノールトラップを使用したグリーンアノールの捕獲作業が現在も続けられています。これまでにCライン以北のエリア(Dエリア)においてはグリーンアノールの侵入が確認されておらず、良好な生態系が維持されています。外来生物の拡散防止にあたっては、周辺を利用される皆様の御協力が欠かせません。今後も、グリーンアノールの侵入防止への御協力をお願いいたします。

  • 63_p08.JPGアノールトラップ設置状況
  • 63_p09.JPGトラップ点検の様子

(※)出典
 小笠原諸島における生態系保全のためのグリーンアノール防除対策ロードマップ2018-2022
  ・小笠原自然情報センター(外部リンク)

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