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東京都の取組 - 小笠原における東京都版エコツーリズム
東京都では、将来にわたって継承すべき貴重な自然がある地域(自然環境保全促進地域)において、利用ルールに基づく自然保護と観光利用の両立を図る東京都版エコツーリズムを運用しています。
小笠原諸島では平成14年に東京都と小笠原村が南島と母島石門一帯を自然環境保全促進地域に指定し、下記の適正な利用のルール(以下、「利用ルール」)を定め、平成15年4月から運用を開始しています。
南島または母島石門一帯を利用する際には、東京都自然ガイドの同行が必要です。東京都自然ガイドとは、講習を受けて認定された地元住民が担い、自然の解説や利用指導を行うガイドです。
別図1 南島利用経路
別図2 母島石門一帯利用経路
南島
南島は父島の南西約1㎞に位置する南北約1.5㎞、東西約400mの小さな無人島で、カルスト地形(石灰岩が浸食や風化を受けてできる地形)が地殻変動によって海中に沈んでできた「沈水カルスト地形」が見られます。沈水カルスト地形は国内でも珍しく、特異な地形や美しい景観が見られることから平成20年には国の天然記念物に指定されています。
扇池
利用状況モニタリング
南島の適正な利用を推進するため、入島者数や滞在時間の把握、利用ルールに抵触する行為の有無などを現地で調査しています。
なお、平成25年度年末年始繁忙期以降は、利用ルールが浸透したことや自然環境が改善してきたことを踏まえ、利用ルール内「Ⅱ個別ルール」の1日当たりの最大利用者数を100人とするルールの運用を停止しています。
モニタリングの様子
自然環境モニタリング
南島の適正な利用と自然環境保護のために、自然環境の基礎情報蓄積、利用による影響等の把握等を目的としたモニタリング調査を平成13年に開始しました。調査結果は、南島の保全対策の検討のための基礎情報として活用しています。
〈調査項目〉
・自然観察路周辺を中心とした、人為による植生変化や裸地化状況のモニタリング
・外来種(外来植物やネズミ類)による影響のモニタリング
・南島の基礎データ収集のための調査(植生、海鳥、昆虫類などの生息・生育調査)
植生調査の様子
母島石門一帯
母島の石門は、石門山の東側のドリーネ地形を含む標高250m~290mの台地状の土地で、国立公園の特別保護地区、林野庁の森林生態系保護地域、東京都と小笠原村で定める自然環境保全推進地域に指定されています。
湿性高木林を主体とした原生性の高い重要な地域で、セキモンウライソウ、タイヨウフウトウカズラなど極めて貴重な母島だけの固有種が生育しています。
また、海底から隆起してできた石灰岩地域であるため、樹林内に針の岩と言われているラピエが見られるのも特徴の一つです。
石門では、東京都版エコツーリズムとあわせて自主ルールにより保全が行われており、10月から2月は入林禁止となっています。
石門入口
石門内の様子
セキモンウライソウ
タイヨウフウトウカズラ
自然環境調査
利用経路周辺における植物や土壌等の自然環境のモニタリングを実施し、利用経路やその周辺の自然環境及び利用に伴う自然環境への環境を把握することを目的として平成15年から調査を開始しました。
・利用経路周辺における希少植物の確認や外来種の駆除
・鳥類や昆虫類などの生息状況のモニタリング
・利用経路の影響モニタリング
調査の結果は関係機関への共有をして、保全対策へ活用しています。
・東京都版エコツーリズム(東京都環境局)外部リンク
・小笠原諸島のエコツーリズム(東京都環境局)外部リンク