東京都の人権課題

7 外国人の人権問題

 「外国人だからって、なぜ?」偏見をもたずに受け入れて

外国人が集まる東京

 東京で暮らす外国人は、令和5(2023)年1月1日現在、約58万人で、都民のおよそ24人に1人に及んでいます。観光や仕事で訪れる外国人も含め、様々な国から東京に集まる人々は、多様な文化や価値観、ライフスタイルをもち、これが東京の伝統文化と相まって、国際都市東京の活力を生み出しています。

住宅や就労などでの差別

 多くの外国人が暮らす東京ですが、言語、文化、宗教、生活習慣などの違いやこれらへの無理解から、外国人に対する差別や偏見がみられます。例えば、住宅の賃貸や商店などの入店を断る、外国人というだけの理由で、就労に関し不合理な扱いをするということが起きています。
 こうした閉鎖的な態度や差別は、外国人の人権を傷つけることになります。肌の色を問題とするのは、人格的利益の侵害であるとの判決も出されています。
 研修制度を悪用し、外国人の実習生に契約どおりの賃金を支払わなかった事件もありました。
 また、良い仕事があるとだまして海外から女性を連れてきて、暴力や借金で拘束し風俗店で働かせた人身売買組織が摘発されています。このため平成17(2005)年に刑法が改正され、新たに人身売買罪が設けられました。

ヘイトスピーチへの対策

 近年、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動がいわゆるヘイトスピーチとして社会的問題となっています。これらの言動は、一人ひとりの人権が尊重され豊かで安心して生活できる成熟した社会を実現する観点からあってはならないことです。平成28 (2016) 年6月には、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が施行されました。
 この法律では、不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、その解決に向けて、国や地方公共団体が、相談体制の整備や教育活動、広報啓発などの施策を講じるよう定めています。
 東京都は、この法律を踏まえ、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進のため、都が保有する公の施設の利用制限、拡散防止措置、事案等の公表、第三者機関(審査会)の設置などを明記しました。これらの取組等は、表現の自由などの国民の持つ権利や自由を不当に侵害しないように留意して実施します。

外国人と共生する社会

 我が国は、難民の地位に関する条約、人種差別撤廃条約などを締結しています。人種差別撤廃条約では、人種・皮膚の色・民族などの違いによるあらゆる差別をなくすための必要な措置が義務づけられています。
 東京都は、平成28(2016)年2月には、多文化共生推進指針を策定し、多様性を都市づくりに活かし、全ての都民が東京の発展に向けて参加・活躍でき、安心して暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいます。外国人からの様々な生活相談に応じるとともに、外国人に対し東京における社会生活のルールの啓発を行っています。また、都民に対し、外国人への理解を深め、偏見や誤解をなくすよう啓発を進めています。
 外国人と日本人がお互いを尊重し合いながら共生できる社会を築くためには、私たち一人一人が、それぞれの文化や生活習慣の違いを認め合い、多様性を受け入れていくことが大切です

やさしい日本語

「やさしい日本語」とは、外国人等にもわかるように配慮して、簡単にした日本語のことで、外国人と日本人が共生できる社会を築く上で注目されています。
 日本語をやさしくするコツは、本当に伝えたいことに絞り込んで、短い文章で、難しい言葉(漢字の熟語、敬語、カタカナ語など)を使わないで話す・書くことです。
 相手の反応を見ながら、やさしい気持ちで、このような日本語を使うことで、外国人だけでなく、子供や高齢者、障害者とのよりよいコミュニケーションにつながります。
(例)土足厳禁 → 靴(くつ)を 脱(ぬ)いでください
   こちらにお掛け下さい → ここに 座(すわ)って ください

東京都における外国人人口の推移

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啓発資料等

関連部局等

関係法令等

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