東京都の人権課題
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- 9 犯罪被害者やその家族の人権問題
- 10 インターネットによる人権侵害
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2 子供の人権問題
「子供の自尊心を大切に!」体罰や暴言は、脳と心に深い傷を残します。
現代社会と子供
子供は、個人としての尊厳を重んじられるとともに、その最善の利益が考慮されなければなりません。わが国は、平成6 (1994) 年に児童の権利に関する条約を批准しました。
しかしながら、社会経済の構造が変化し、家庭や地域の子育て機能が低下するに伴って、児童虐待などが深刻な問題となっています。子供たちのいじめや教師等による体罰も依然として大きな問題です。また、情報通信技術の急速な発展や、性の商品化などの社会風潮も相まって、インターネットを通じて子供が犯罪に巻き込まれるなどの事態が生じています。さらに、親の収入状況によっては十分な教育の機会が得られなくなる等の問題があります。
児童虐待
虐待は、子供の心身の成長と人格の形成に深刻な影響を与える重大な権利侵害です。児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は年々増加し、令和元(2019) 年度には、全国及び東京都ともに過去最高となっています。児童虐待防止法は、保護者による身体的虐待、性的虐待、養育の放棄・怠慢、心理的虐待について、その予防及び早期発見、子供の保護などを定めています。子供自身が虐待を外部に訴えることは難しいため、虐待の疑いをもったときは、速やかに児童相談所などに通告する必要があります。
社会全体で児童虐待の防止が図られなければなりません。また、虐待の防止に当たっては、子供の年齢及び発達の程度に応じて、その意見を尊重するとともに、子供の安全及び安心の確保並びに最善の利益が最優先されなければなりません。これらの考え方を基本理念とする「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」が平成31年(2019年) 4月から施行されました。この条例では、児童虐待の未然防止、早期発見・早期対応に向けて、都、都民、保護者及び関係機関等の責務等を定め、特に、体罰等によらない子育ての重要性を明確にしております。
いじめ
いじめは、子供の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長と人格の形成に深刻な影響を与え、生命や身体に重大な危険を生じさせ得るもので、決して許されません。平成25 (2013) 年には、いじめの防止、早期発見及び対処等のための対策に関し、「いじめ防止対策推進法」が施行されました。
東京都は、「東京都いじめ防止対策推進条例」を施行し、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進しています。
体罰
体罰や暴言は、子供の脳と心に深い傷を残す人権侵害行為(※)であり、子供の明るい未来を奪う結果となりかねず、教育上も絶対に許されないものです。
東京都は、平成31(2019) 年4 月に「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」を施行し、保護者による体罰や暴言を禁止するなど、体罰根絶に向けた総合的な対策に取り組んでいます。
また、令和2(2020) 年4月に「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」が施行され、保護者の体罰等が禁止されました。
※激しい体罰は、感情や思考をつかさどる脳の前頭前野を萎縮させ、言葉の暴力は、声や音声を知覚する聴覚野を肥大させることが近年の研究で明らかになっています。(友田明美・福井大学教授、ハーバード大学・マーチン・タイチャー氏による研究成果。)
児童買春等
児童買春、児童ポルノなどは、子供の人権を侵害する犯罪です。その多くは携帯電話やインターネットの利用が関係しており、国は出会い系サイト規制法、児童買春・児童ポルノ禁止法などに基づき対策を講じています。
東京都青少年の健全な育成に関する条例においては、児童ポルノを根絶するための環境整備に努める都の責務を定めています。併せて都民に対して、例えば、インターネット上で児童ポルノを発見した際は削除の為の適切な機関に通報するなど、児童ポルノを根絶することについての理解と自主的な取組に努めることを求めています。
また、東京都特定異性接客営業等の規制に関する条例においては、児童買春等につながり得る、いわゆる「JKビジネス」について規制を設けています。
子供の自尊心を大切にし、個性を持ったかけがえのない存在として一人一人を尊重し、次代を担う子供が安心して健やかに成長できる社会をつくることは大人の責任です。
啓発資料等
関連部局等
- 福祉局(子供家庭)
- 福祉局(虐待対策)
- 児童虐待防止推進月間~オレンジリボンキャンペーン~(福祉局)
- 広報・刊行物(福祉局)
- 東京都いじめ防止対策推進条例
- いじめの防止等の対策(東京都教育委員会)
- 東京都いじめ相談ホットライン(東京都教育相談センター)
- 体罰根絶に向けた総合的な対策の策定について(東京都教育委員会)
関係法令等
※注記のない限り、法令は、電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)へのリンクです。