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病害虫防除に関すること

更新日

病害虫の防除及び農薬安全対策に関すること

1)ミカンコミバエ再侵入警戒調査

 小笠原におけるミカンコミバエは、大正時代末期に侵入したとされており、果樹・野菜類等への直接的な加害だけでなく、それらの農産物の本土への出荷が禁止または規制されたため、小笠原諸島の日本返還後の農業振興の大きな妨げになっていました。
 そのため、根絶を目標に誘引・殺虫剤による駆除のほか、不妊虫放飼(人工的に生殖能力を無くした個体を野外に放出し繁殖個体数を減少させる。)などの防除方法を用い、昭和60年(1985)に、小笠原諸島からの根絶が確認され、小笠原産農産物の本土出荷が可能となりました。
 

ミカンコミバエ防除法


 現在でも、ミカンコミバエ発生地域(中国、東南アジア等)からの船舶等の往来等により再侵入の可能性があることから、トラップ調査や寄主果実の分解調査など(※)根絶以降継続して実施し、再侵入を許していません。
 (※)ミカンコミバエ再侵入警戒調査の内容
 

■ トラップ調査
父島、母島及び聟島列島の7島42か所に設置し、月1~2回再侵入調査実施

■ 果実分解調査
野生及び農家生産の果実(柑橘等)を採取し、卵・幼虫などの有無を調査
 

ミカンコミバエ雌成虫 写真
ミカンコミバエ雌成虫
ミバエトラップ(スタイナー型)  写真
ミバエトラップ(スタイナー型)
※各所で写真のようなトラップを用い、 調査を実施しています。
果実分解調査 写真
果実分解調査

2)アフリカマイマイ等指定病害虫防除

 アフリカマイマイは東アフリカ原産の大型陸棲カタツムリで、小笠原諸島には昭和10年頃、食用あるいは薬用と称して持ち込まれ、飼育したものが逃げて増殖したといわれています。
本種は、雑食性で広汎な食性を有し、野菜類・果樹類・観葉植物類の苗や、果実・花などほとんどの農作物を食害します。大量に発生すると農作物に甚大な被害をもたらすことから、植物防疫法による指定病害虫の一つとなっています。
 国内では、小笠原諸島のほか南西諸島がアフリカマイマイの発生地域であり、小笠原では特に母島で多く生息しています。
 現在、母島を中心に、[1]農地周りにおける薬剤(燐酸第二鉄粒剤)による防除、[2]農業地域内の都道や農道周辺での拾い取りによる防除により、他の固有種のマイマイ類への影響に配慮した防除を実施しています。
 

アフリカマイマイ 写真
アフリカマイマイ
オクラを食害するアフリカマイマイ 写真
オクラを食害するアフリカマイマイ

3)農薬安全対策

 農薬の安全な使用を徹底するため、農薬販売を行う事業者の指導など行っています。
 農薬販売を行う場合「農薬販売届」を届け出る必要があります。また、届出事項に変更が生じる場合などにも届出が必要になります。
 

記事ID:003-001-20240718-008235