第4章 現行制度の運用状況と制度的課題

第4章 現行制度の運用状況と制度的課題

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第4 人事考課制度

1. 制度の沿革

都の一般職員を対象とした人事考課は、昭和61年度の行政系職員を対象とした業績評価制度と自己申告制度の導入により本格的に開始した(技能系・業務系職員については平成5年度より実施)。また、平成9年度には自己申告制度を改正して、当初申告時に、職員が担当する職務に関する目標と、職員の育成又は自己啓発に関する目標を主体的に設定し、最終申告時に、それらについて自ら評価する、いわゆる目標管理の手法を導入した。これは、きめ細かな職員の育成と効果的・効率的な職務遂行、業績評価の評定精度の一層の向上をねらいとしたものである。
一方、管理職については、昭和47年度に職務記録と自己申告を柱とする業績記録制度が確立した。その後、平成6年度には、自己申告による目標管理の徹底、異動時評定の実施、評価結果の開示などの改正を行った。

2. 業績評価(職務記録)制度の実施状況

一般職員の勤務成績を定期的に評定する定期評定として、毎年1月1日を基準日とし、職員の1年間の仕事の成果と職務遂行上見られた能力、態度について評定している。評定結果は、主任級職選考・管理職選考をはじめとする各種昇任選考、特別昇給などの給与制度、人事異動、職員表彰など、人事制度に幅広く反映され、都における能力と業績に応じた人事管理の根幹をなすものとなっている。
管理職の職務記録制度は、3月31日を基準日とする定期評定の他に、異動日の前日を基準日とする異動時評定を実施している。職務記録の結果は、一般職員と同様、人事制度全般に広く活用している。なかでも、平成6年度からは、職務記録の結果を勤勉手当の成績率に反映させることとしている。

3. 自己申告制度の実施状況

81.9%であったものが、平成11年度には98.5%(当初申告)とほぼ全職員が提出している(図表4-1)。このように、提出率で見る限りは、職員の間に自己申告制度が広く浸透し、定着していると言える。また、平成11年度の職務目標記入率は98.6%、育成・自己啓発目標記入率は81.1%、管理職との面接実施率は97.2%(当初申告)となっている(図表4-2)。
管理職の自己申告においても、年度当初(年度中途で異動した場合には異動時)に目標を設定し、年度末(年度中途で異動した場合には異動時)に自ら評価を行い、職務記録制度と一体の制度として運用することにより目標管理の徹底を図っている。

4. 制度的課題

これまで、業績評価(職務記録)制度と自己申告制度は、任用・給与制度など都の人事制度に広く活用されてきたところである。しかしこれからの都においては、職責に応じて能力と業績を重視した人事管理を一層強化することが求められている。また、一般職員に関して人材育成という観点でみると、具体的な活用手法が明確でないため、必ずしも機能しているとは言えない。
今後、業績をあげたものを評価する人事制度を徹底するとともに、職員を人材として育成していくためには、職責に応じて、職員一人ひとりの業績・能力・意欲・適性等の基本的情報を実態に即して正確かつ客観的に把握し、効果的に活用する方策を検討することが必要である。
また、一般職員の業績評価の評定結果について、職員本人への開示は現在行っていないが、職員の人材育成の観点から評定結果の本人開示は不可欠である。今後、人材育成を効果的に推進するための具体的な手法を検討する必要がある。

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一般職員の自己申告提出状況

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平成11年度自己申告実施状況

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