東京都の人権課題

9 犯罪被害者やその家族の人権問題

 「さまざまな被害に苦しんでいます」私たちの心の痛みを理解してほしい

犯罪被害者やその家族の痛み

 殺人、暴行、傷害、性犯罪、交通犯罪などによる被害は、ある日、突然、理不尽に誰の身にも起こり得ます。犯罪被害に遭うと、身体を傷つけられ、生命を奪われるなどの身体的被害のほかに、稼ぎ手が失われることにより収入が途絶え、生活ができないといった財産的被害、さらには、メディアの過剰取材や周囲の人々の心無いうわさや中傷、偏見により、精神的苦痛を受けます。こうした犯罪後に生じる被害を二次的被害と呼びます。犯罪被害者やその家族は長期にわたり、二次的被害にも苦しみ、その日常生活は一変します。

犯罪被害者やその家族への支援

 被害者団体等が、犯罪被害者やその家族が置かれている深刻な状況等を訴え続けた結果、社会的な関心が高まり、平成17(2005)年に「犯罪被害者等基本法」が施行されました。国は基本計画を策定し、犯罪被害者等のための施策を推進しています。
 東京都は、犯罪被害者等支援に対する姿勢を明確に示すとともに、社会全体での取組を一層進めていくため、令和2(2020)年に「東京都犯罪被害者等支援条例」を施行しました。この条例に基づき、全庁を挙げて被害者等の多様なニーズに応えるため、被害者等に届く具体的な支援の計画を策定し、区市町村や民間団体などと幅広く連携するなどして様々な支援策を実施しています。
 その支援策として、「犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口」を公益社団法人被害者支援都民センターと協働して運営し、様々な不安や問題などの相談に対応するほか、精神的支援などを実施しています。
 性犯罪・性暴力の被害者は、被害の深刻さにもかかわらず、多くが誰にも相談できずにいます。こうした認識に基づき、心身の負担軽減や早期回復、被害の潜在化の防止等を図るため、東京都は、24時間365日被害者からの相談を受け付け、必要な支援を行うため、「東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター(以下「ワンストップ支援センター」という。)」を特定非営利活動法人性暴力救援センター・東京(SARC東京)と協働で運営しています。令和5(2023)年10月から、ワンストップ支援センター内に、「子供・保護者専用性被害相談ホットライン」を開設し、子供・若年層への支援体制を強化しています。
 さらに、見舞金の給付、転居費用の助成、無料法律相談、被害者参加制度における弁護士費用の助成を実施し、被害に遭ったことで生じる経済的負担の軽減も図っています。
 また、警視庁では、被害者やその家族の精神的な支援を行うための犯罪被害者ホットラインや、性犯罪被害の相談電話を設置しています。
 私たちは、誰もが犯罪被害者となる可能性があります。被害者の身近にいて、いつでも支援することのできる周囲の人々の適切な対応が被害者の回復への一助となります。被害者及びその家族の人たちの立場に立って考え、支援することが大切です。

令和4年度 相談等実績

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東京都総合相談窓口・ 犯罪被害別の状況
(平成30年度から令和4年度までの相談等件数の推移)

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東京都犯罪被害者等支援条例 令和2(2020) 年施行

 東京都では、犯罪被害者等支援に対する姿勢を明確に示すとともに、社会全体での取組を一層進めていくため、「東京都犯罪被害者等支援条例」を令和2(2020)年4月に施行しました。
 この条例は、犯罪被害者等が受けた被害の回復又は軽減及び犯罪被害者等の生活の再建を図ること、そして、犯罪被害者等を社会全体で支え、誰もが安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的としています。

関連リンク

啓発資料等

関連部局等

関係法令等

※注記のない限り、法令は、電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)へのリンクです。

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